1. 核エネルギーの現実
原子力は「過去の技術」ではありません。いまも現実に使われており、フランスのように国家の主力電源として高い比率を占める国もあります。天候に左右されず、安定供給に強いという性格は、依然として大きな意味を持っています。
核は終わっていない。処分も、代替も、まだ途中にあります。このレポートでは、2026年4月時点における核エネルギーの現実、最終処分の停滞、そして海洋・都市・地下を含む再エネルギーの可能性と限界を整理します。
原子力は「過去の技術」ではありません。いまも現実に使われており、フランスのように国家の主力電源として高い比率を占める国もあります。天候に左右されず、安定供給に強いという性格は、依然として大きな意味を持っています。
核の問題は、使うことよりも、使った後をどう終わらせるかにあります。現在の世界は、大きく分けて再利用、長期保管、地層処分という三つのルートで対応しています。しかし、最終的な出口としての地層処分は、ごく一部の国しか前へ進めていません。
フィンランドが先行し、日本はなお調査段階です。つまり世界全体では、処分技術そのものよりも、処分地を決め、社会的合意を積み上げる段階で止まりやすいのが現実です。
理由は三つあります。第一に、放射性物質は数万年単位の管理が前提となること。第二に、再び兵器転用される核拡散リスクがあること。第三に、どこの地域も引き受けたがらないことです。核は、時間・安全保障・地域感情が重なる複合問題です。
再エネは前進しています。太陽光と風力はすでに主要な選択肢であり、建物一体型の太陽電池や浮体式洋上風力も現実味を増しています。ただし、安定供給という点では、いまだ補完手段が必要です。夜間、天候変動、送電制約、蓄電コストなどの問題が残っています。
日本は山地が多く、平地利用が飽和しています。そのため、今後の発電基盤は「海」と「都市」の活用が重要になります。黒潮などを視野に入れた海流発電、沖合の浮体式洋上風力、海洋温度差発電、そして都市の屋根や壁面を使うペロブスカイト太陽電池。陸地の制約を受けにくい選択肢が、日本には向いています。
さらに、天候に左右されにくい次世代地熱や、水素・蓄電との組み合わせが必要です。再エネは一つの技術で完成するのではなく、複数の電源と貯蔵手段の組み合わせで初めて安定に近づきます。
2026年4月時点の状況を一言でまとめれば、核は使われ続ける一方で、その処分はなお未完成、そして再エネも主役候補ではあるが発展途上、ということになります。日本は、核をただ肯定するか否定するかではなく、使った後をどう処理し、次の電源をどう育てるかを同時に考える必要があります。
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