令和5年度医療費の8.1%で教育費不安を軽くできるか
令和5(2023)年度の医療費・必要財源・目標額を整理する令和5(2023)年度の国民医療費、年齢別・診療種類別の構成、教育費不安を軽くするために必要な約3.8兆円、医療費8.1%という目標値を整理します。
1. 令和5(2023)年度の国民医療費
令和5年度の国民医療費は48兆915億円です。前年度から1兆3,948億円増え、人口一人あたりでは38万6,700円となっています。
| 項目 | 金額・割合 |
|---|---|
| 国民医療費総額 | 48兆915億円 |
| 人口一人あたり国民医療費 | 38万6,700円 |
| 前年度からの増加額 | 1兆3,948億円(3.0%増) |
2. 年齢階級別の構成
年齢階級別では、65歳以上が28兆8,806億円、全体の60.1%を占めています。65歳未満は19兆2,108億円で39.9%です。
| 年齢階級 | 国民医療費 | 構成割合 |
|---|---|---|
| 0〜14歳 | 2兆7,688億円 | 5.8% |
| 15〜44歳 | 5兆8,422億円 | 12.1% |
| 45〜64歳 | 10兆5,998億円 | 22.0% |
| 65歳以上 | 28兆8,806億円 | 60.1% |
3. 診療種類別の構成
診療種類別では、医科診療医療費が34兆5,498億円で71.8%、薬局調剤医療費が8兆4,563億円で17.6%、歯科診療医療費が3兆2,945億円で6.9%です。
| 診療種類 | 国民医療費 | 構成割合 |
|---|---|---|
| 医科診療医療費 | 34兆5,498億円 | 71.8% |
| 入院医療費 | 17兆8,580億円 | 37.1% |
| 入院外医療費 | 16兆6,918億円 | 34.7% |
| 歯科診療医療費 | 3兆2,945億円 | 6.9% |
| 薬局調剤医療費 | 8兆4,563億円 | 17.6% |
| 入院時食事・生活医療費 | 7,437億円 | 1.5% |
| 訪問看護医療費 | 5,727億円 | 1.2% |
| 療養費等 | 4,744億円 | 1.0% |
4. 教育費不安を軽くするために必要な金額
給食費無料、高校授業料無償、国立大学無償、私立大学・専門学校への学費補助、修学旅行費、高校までの教材費の無償化を対象にした場合、必要な年間予算は概算で約3.8兆円です。
| 項目 | 必要な年間予算(概算) |
|---|---|
| 大学・専門学校(国立無償+他へ補助) | 約1.6兆円 |
| 高校の完全無償化(授業料) | 約0.5兆円 |
| 小中学校の給食費無償化 | 約0.5兆円 |
| 小中高の学校教育費(教材・行事等) | 約1.2兆円 |
| 合計 | 約3.8兆円 |
5. 8.1%の算出
必要財源の約3.8兆円を、令和5年度の国民医療費48兆915億円と比較すると、約7.9%になります。医療費の母数を47兆円規模で見ると約8.1%となります。
本サイトでは、教育費不安を軽くするための目標値として「令和5(2023)年度の医療費の8.1%」を採用します。これは概算をわかりやすく示すための目安です。
6. 見直しの対象となる主な領域
実際に財源化を考えるには、単純な削減ではなく、発病や感染、医療の無駄を減らし、健康寿命を延ばし、薬の無駄を減らし、医療の効率化を積み重ねる必要があります。
| 領域 | 考え方 |
|---|---|
| 発病・重症化の抑制 | 生活習慣病、感染症、重症化を減らすことで、将来の医療費増加を抑える。 |
| 感染の抑制 | 室内空気、換気、衛生、予防行動により、医療需要そのものを減らす。 |
| 薬の無駄の削減 | 重複投薬、残薬、不要な処方を減らし、薬局調剤医療費の効率化を図る。 |
| セルフ医療 | 軽い不調を早めに相談・対応し、不要な受診や重症化を減らす。 |
| 医療の効率化 | データ連携、AI相談、かかりつけ機能などにより、適切な受診につなげる。 |
7. レポートとしての整理
このページは、医療費の8.1%を削減できると断定するものではありません。令和5(2023)年度の医療費の規模、教育費不安を軽くするために必要な財源、目標となる医療費見直し額を整理するためのレポートです。
今後は、薬剤費、入院外医療費、予防医療、感染対策、セルフ医療など、各領域でどの程度の見直し余地があるのかを、さらに分けて検討する必要があります。
出典年度:令和5(2023)年度。厚生労働省「令和5(2023)年度 国民医療費の概況」および同報道発表資料を参照。