テーマ1 連動コラム

健康になっても、高齢者を孤独にしてはいけない

病院・ドラッグストア・地域施設が支える、新しい高齢者のつながり

病気を減らす社会の中で、高齢者を孤独にしないための地域接点を考える。 その数字は、現実的な構想として成り立つのか。財源、医療費、教育費、地域循環をつないで考えます。

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健康になっても、孤独にしてはいけない

病気を減らし、医療費を減らす。これは、これからの日本にとって避けて通れない課題です。

予防医療、セルフケア、AIによる健康相談。ドラッグストアで軽い症状に対応し、病院へ行く人を減らしていく流れは、今後さらに進んでいくでしょう。

ですが、ここには一つ、大きな問題があります。

高齢者にとって病院が「社会との接点」でもあるということです。

病院へ行けば、受付の人と話す。待合室で顔見知りと会う。帰りに買い物をする。それが、高齢者にとって数少ない“外へ出る理由”になっていることも少なくありません。

もし病気が減り、「病院へ行かなくてもよい社会」が実現したとしても、その代わりとなる居場所を作れなければ、高齢者の孤独化はさらに進んでしまいます。

しかも今は、社会全体がどんどん無人化しています。

コンビニはセルフレジ。スーパーも無人精算。飲食店もタブレット注文。

昔はあった「今日は暑いですね」という何気ない会話が、少しずつ消えてきています。

若い世代には、会社や学校があります。しかし高齢者は、退職とともに人との接点が急激に減っていきます。

さらに、町会や地域コミュニティも高齢化と人手不足で疲弊しつつあります。

だからこそ、これから重要になるのが、「病院の代わりとなる地域接点」をどう作るかです。

その中心になれる可能性を持っているのが、ドラッグストアです。

ドラッグストアには、血圧測定、体重測定、健康相談、AI健康サポート、健康ポイント制度などを組み合わせ、高齢者が自然に立ち寄れる場所になってほしいと思います。

そして、単なる機械設置だけではなく、人と話せるスタッフを置くことも重要です。

「最近どうですか?」「暑くなりましたね」そんな短い会話が、人を孤独から救うことがあります。

さらに、公民館や地域施設も重要な役割を持っています。同年代の人が集まり、会話し、顔を合わせる。これは医療や介護だけでは代替できない、“人間の健康”です。

将来的には、一定規模以上のスーパーや商業施設に、健康測定機器、健康ポイント端末、コミュニティスペースなどの設置を義務化するような制度も、考えてよいのかもしれません。

病気を減らすだけでは、人は幸せになれません。

これからの社会に必要なのは、「長く生きる社会」だけではなく、「孤独にならずに生きられる社会」なのだと思います。