ネクストテーマ

石油依存からの段階的転換

― 地中の炭素を大気に放出し続ける社会からの転換 ―

石油削減は、単に自動車をEVに置き換える話ではありません。燃料として燃やされる石油だけでなく、包装、農業資材、化学製品、船舶、物流など、暮らしと産業の深い部分に石油は入り込んでいます。一方で、すべてを一度に置き換えることも現実的ではありません。だからこそ、技術が届きやすい分野から削減を始め、代替が難しい分野は別枠で課題を整理し、社会全体の石油使用量を少しずつ下げていく発想が必要です。

石油を使わない社会ではなく、石油依存を下げる社会へ

石油は近代社会を支えてきた重要な資源です。燃料、包装、素材、農業、医療、物流など、私たちの暮らしは石油なしには成り立たない部分を多く持っています。だから、石油を単純に悪者にして一気に排除するだけでは、現実的な提案にはなりません。

しかし、地中にあった炭素を掘り出し、燃やし、CO2として大気へ放出し続ける構造は、長期的には変えていく必要があります。ここで考えたいのは、生活や産業を壊さずに、石油使用量そのものを段階的に下げていく道筋です。

五つの入口から現実的に下げる

このテーマでは、自動車とトラック、重油船舶、包装文化、農業資材、身の回りの素材という五つの入口から考えます。いずれも一気にゼロにはできませんが、技術と制度を組み合わせれば、少しずつ使用量を下げる余地があります。

重要なのは、置き換えやすいところから始めることです。短距離の輸送、停泊時の船舶電源、包装材の見直し、農業資材の代替、身近な素材の長寿命化。こうした積み上げによって、社会全体の石油依存を下げていきます。

代替が難しい分野は、別枠で考える

航空、鉄鋼、大規模化学工業のように、削減が非常に難しい分野もあります。これらを無理に同じ枠で語ると、実行可能な提案まで見えにくくなります。

まずは削減可能性が見え始めている分野から動かし、難しい分野は別枠で整理する。そのほうが、社会の合意もつくりやすく、実際の削減にもつながります。

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