私たちは、インターネットやクラウドサービスを意識することなく利用しています。その裏側では、世界中のデータセンターが24時間365日、止まることなく稼働しています。
では、なぜデータセンターはこれほど高い信頼性を維持できるのでしょうか。
その答えは、「一か所に依存しない」という設計思想にあります。
重要なデータは複数の場所へ複製され、サーバーや通信回線、電源設備も可能な限り冗長化されています。一つの設備が停止しても、別の設備が直ちに機能を引き継ぐことで、利用者は障害をほとんど意識することなくサービスを利用し続けることができます。
近年では、大規模地震や豪雨なども想定し、数百キロメートル離れた地域へデータを分散する構成も珍しくありません。
つまり、「故障しない設備」を目指すのではなく、「故障しても止まらない仕組み」をつくることが、現代のデータセンター設計の基本になっています。
この考え方は、日本の国づくりにも応用できるのではないでしょうか。
現在、日本の政治・経済・行政の中枢機能は東京に集積しています。そのことが高い効率性を生み出してきたことは間違いありません。
しかし、効率性を高めることと、一か所へ依存することは同じではありません。
データセンターは、中心となる拠点を維持しながらも、複数の拠点が役割を分担することで全体の信頼性を高めています。
国の仕組みも同様に考えることができます。
東京の価値を維持しながら、行政、研究、防災、デジタル基盤などを地域ごとに分担し、平時から連携することで、日本全体の柔軟性を高める。それが「複数副首都構想」の基本的な考え方です。
データセンターは、数十年にわたり「止まらない仕組み」を追求してきました。
その設計思想は、これからの日本を考える上でも、多くの示唆を与えてくれるのではないでしょうか。