複数副首都構想は、首都機能を分散するだけの提案ではありません。
地域ごとの強みを生かし、新たな経済圏を育てることも重要な目的の一つです。
そのモデルケースとして、大きな可能性を持つ地域が北陸です。
北陸には、世界トップレベルの技術を持つ製造業や工作機械産業、精密加工、化学、医薬品など、多彩な産業が集積しています。人口規模以上に高い技術力を持つ企業も少なくありません。
さらに、豊かな水資源、比較的安定した電力供給、コンパクトな都市構造など、産業基盤として優れた条件を備えています。
近年は北陸新幹線の延伸によって首都圏との移動時間も短縮され、人や企業の交流はさらに活発になっています。
こうした環境を生かし、行政機関、研究機関、デジタル産業、データセンターなどを段階的に集積していけば、富山・石川・福井が相互に連携する新しい経済圏を形成できる可能性があります。
もちろん、これは東京と競争する構想ではありません。
東京には、日本を代表する国際都市としての役割があります。
その価値を維持しながら、北陸が新たな成長拠点として発展することで、日本全体の選択肢を増やすことが、この構想の目的です。
また、日本海側の交通網や物流網を強化することは、防災の観点からも重要な意味を持ちます。太平洋側とは異なる物流ルートを確保できれば、災害時の対応力向上にもつながります。
複数副首都構想が目指すのは、一つの都市を大きくすることではありません。
それぞれの地域が特色を生かし、互いに補完し合うことで、日本全体の活力を高めることです。
北陸経済圏構想は、その未来を具体的にイメージできる一つのモデルケースとして位置付けられるのではないでしょうか。